YEMAの歴史
1948年 野心と創造のスタート
イエマは1948年にヘンリー・ルイ・ベルモントというブザンソン（フランスの東部にある都市）の国立時計学校へ首席で入学した時計師を中心に、若い時計技術者チームにより設立されました。高品質の時計を自らの手で考案し組立、製造まで手がけるという野心的計画に着手します。技術的なノウハウはすでにあり、あとはスイスブランドに匹敵する名前を見つけるだけでした。そこでYEMAの創始者が思いついた挑戦的なアイデア、それは地域の高校でコンクールを催し、特別な意味はないがギリシャ風の名前を高校生に考案してもらうということでした。このコンクールで1番になったのがYEMA(イエマ)です。YEMAという名前は一人のティーンエイジャーの先見の明からこうして生まれた。残念なことにこの高校生のは前は現在も匿名のままです。この無名の高校生は自分が考えたYEMAというブランド名が少なくともそれから70年間、フランス品質を備えた時計を意味すると言っても過言ではない言葉を創造したことを知ることもなかったのです。その後、YEMAは1960年代から70年代にかけてフランスの腕時計輸出量No.1を記録し、スポーツウォッチの分野でフランスを代表するブランドとなります。
1963 アイコンモデルの誕生
イエマ神話を作り出すことなったモデルSuperman(スーパーマン)が初めて発表されたのが1963年。
特許出願中であり300メーターの防水機能性もあり、そもそもはプロフェッショナル・ダイバーのために考案されたモデルでした。安全性のためのベゼル・ロックもついているため一層目立ったユニークなデザインとなりました。不滅のイメージのあるスーパーマンのように堅固なこのモデルはフランス空軍パイロットが身に着けるモデルとして選ばれました。 発売以降、多くのバリエーションが発表されYEMAを代表するフレンチブランドを代表するモデルとなったSupermanは多くの人に愛用されることとなりました。ブラックダイヤルの型番53.00.16やブルーダイヤルにシャベル型の秒針のついた型番24.11.17
などが代表的なモデルとなりました。
1966年クロノグラフ代表モデルの誕生
最初のYACHTINGRAF(ヨッティングラフ)が発表されます。これはヨットをする人のために考案されたモデルです。ヴァルジューを搭載したこの自動巻きクロノグラフモデルは、100M防水性機能を備えておりレガッタの競技時間を図ることができるようになっていました。1966年の発売以降、6種類のバージョンが発売されました。
同年にはRALLYGRAF(ラリーグラフ)も発表されました。これはカーレーサーのために考案されたモデルでフォーミュラー1のマリオ・アンドレッティが腕にはめたことでも有名となりました。こちらのモデルも数種類のダイヤルバージョンがその後発表されました。
1970年スポーツタイプの新モデル
都会的でありスポーティでもある"Wristmaster"（リストマスター）を発表します。メンズモデルとレディースモデルがあり、美しい外装とともに技術的クォリティを備えたモデルとして発売されました。
Meangraf(ミーングラフ)の発表
日本の愛好家から後にルパンモデルと言われる代表作です。”LE JOUR”(レジュール)というブランド名で輸出用モデルも販売されました。1971年 ルパン三世ファーストシリーズで着用シーンが放送される
日本アニメの代表作、ルパン三世ファーストシリーズで主人公ルパン三世YEMA ミーングラフ着用シーンが放送されました。 この事から熱心な時計愛好家からはルパン三世が着用した時計ブランドと認知される様になりました。
1982年 ヘンリー・ルイ・ベルモントの引退
設立から30年以上たった1832年、YEMAのトップであったヘンリー・ルイ・ベルモントはCEOの座を息子のジョン・ヘンリー・ベルモントジュニアへ譲り、彼がCEOとなった。しかし彼は家族経営を引き継ぐ以外の野心を持っていたので、YEMAを売却することにした。
フランス政府後押しの元、MARTA（ラガルデール*フランスのコングロマリットの一つ・グループ）がフランス製のムーブメントをThomson（トムソン（Thomson SA）-フランスのマルチメディア・家電企業。2010年にテクニカラーに社名変更した。）と共同制作する目的でYEMAを買収しました。
1988年 日本のセイコー社傘下になる
Matra社はYEMAをセイコーグループに売却し、YEMAは日本の時計会社の傘下に入ります。
2004年 再びフランスブランドに
フランスのルイ・エリック・ベッケンステイナー氏がYEMAブランドを買収し、再びフランスにYEMAが戻ります。2009年 フランス・モルトーにあるMontres Ambre社がイエマブランドを引き継ぎ、現在に至ります。